Breeze TTS:音声生成に指示追従性をもたらす

Breeze TTS は BreezeBlue の指示追従型の音声モデルです。制御可能な AI 音声デザイン、音声ディレクション、表現力豊かな生成に対応します。

Research Demo

Breeze TTS の研究背景デモ

BreezeBlue では、オーディオインテリジェンスの未来がどう聞こえるべきかを、あらためて考え直しています。

これまでの音声技術は、複製を得意としてきました。しかし次世代の音声 AI には、それ以上のことが求められます。ニュアンスを理解し、文脈に応じて振る舞いを変え、そのうえで制御可能であり続けることです。

Breeze TTS はその方向への最初の一歩です。最先端の指示追従性を音声生成にもたらす、生成型の音声モデルです。

01

動機

音声生成は長らく、リアルさに向けて最適化されてきました。私たちは、次は意図に向けて最適化されるべきだと考えています。

この分野は自然さ、話者の一貫性、音声クローンで大きく進歩してきました。しかし、高忠実度の再現と制御可能な生成は同じものではありません。完璧に聞こえる声が、いつも役にふさわしく、文脈に合い、ディレクションに従うとは限りません。

ほかの生成領域は、すでにこの方向へ進んでいます。言語生成やビジュアル生成では、指示追従はいまや中核の能力です。ユーザーはモデルが、プロンプトに対して正確に、柔軟に、幅広く応えることを期待します。音声生成も例外ではありません。

Breeze TTS では、指示追従を音声にとっての一級の能力として扱います。目指すのは自然な音声を生成することだけではなく、創作上の意図によって形づくれる音声を生成することです。ペルソナが定義する声、文脈が形づくる演技、そしてシーンに応じて変わる話し方です。


02

Breeze TTS — 新しいタイプの音声モデル

Breeze TTS の中核にあるのは、事前学習済みの大規模言語モデルの上に構築されたオーディオ言語モデルです。さらにテキストと音声を交互に並べた系列で学習することで、テキストと音声をひとつのストリームとしてモデル化できます。この形式では、テキストが指示と台本を与え、音声は条件づけの信号であると同時に、生成の対象にもなります。

そのため Breeze TTS は、2 つの場面で強い指示追従性を発揮します。テキストだけから新しい声を作る場面と、参照音声をもとに既存の声の演じ方をディレクションする場面です。


2.1

音声デザイン:テキストプロンプトから新しい声を作る

Breeze TTS は、世界知識と強力な自然言語理解を併せ持ちます。ペルソナ、トーン、シチュエーション、スタイルのいずれを述べたものであっても、自由記述のテキストプロンプトに従い、意図したキャラクターに合う声を生成できます。

Acoustic-Parameter SpecificationDescriptive-Style DirectiveRole-Play
Character 1Character 2Character 3Character 4

Instructions

音声デザイン:テキストプロンプトから新しい声を作る

私たちは Breeze TTS を InstructTTSEval で評価しました。これは、音声生成における複雑な自然言語スタイル制御を測るベンチマークです。InstructTTSEval は Acoustic-Parameter Specification(APS)、Descriptive-Style Directive(DSD)、Role-Play(RP)という 3 種類の指示スタイルを対象とし、それぞれに 1K 件のテストケースがあります。Breeze TTS はこのベンチマークで最先端の結果を達成し、複雑な指示を理解して多様な声を生成する高い能力を示しました。特に断りがない限り、評価の判定には Gemini-3.1-pro を使用しています。社内の人手評価によると、Gemini-2.5-pro より偏りの少ないスコアが得られます。


2.2

音声ディレクション:既存の声に、新しい話し方で演じさせる

音声ディレクションの能力は、長い時間スケールの音声データで学習する中から自然に立ち上がります。Breeze TTS は自然言語の指示に従って参照音声クリップの話し方を変えながら、その根底にある話者アイデンティティを保てます。重要なのは、ガイダンス強度を調整することで、話者の一貫性と指示追従のあいだのバランスを取れる点です。

LedaSadachbiaSchedarVindemiatrix

Reference Voice

Scene 1Scene 2Scene 3

Instructions

音声ディレクション:既存の声に、新しい話し方で演じさせる

この設定も InstructTTSEval で評価します。3K 件のテストケースそれぞれについて、Gemini TTS のプリセット音声 30 種類から 1 つをランダムに選び、Breeze TTS のワンショット参照として使います。推論時にガイダンス強度を変えて、指示追従と話者一貫性のトレードオフを測定します。Breeze TTS は音声ディレクションにおいて最先端のパレート境界を達成し、明確なスケーリング傾向を示しました。同じ指示追従の水準では、モデルが大きいほど話者の一貫性がよく保たれます。


03

Breeze TTS を試す

音声生成は再現の段階を越えて、創造、ディレクション、そしてインタラクションへと進んでいます。Breeze TTS で私たちは、意図に従い、文脈に適応し、より幅広い音声体験を切りひらく音声モデルへの、早い一歩を踏み出しました。

これはまだ始まりにすぎません。私たちの使命は、研究と製品を通じて次世代のオーディオネイティブ体験を創り出すことです。そうした体験がどんなものになりうるかを探るクリエイター、開発者、チームの皆さんと Breeze TTS を共有できることを楽しみにしています。